本馬場入場とは、レース発走の15分ほど前になると誘導馬に先導され、各出走馬が本馬場へと入ること。馬番順に馬名のアナウンスが終わると、厩務員が引き綱を外し軽くダク(速歩)を踏み、返し馬へと移るのが一連の流れです。
返し馬とは、出走馬が本馬場に入場し、スタンド前でダクを踏んだ後、向正面に向かってキャンターを行うこと。 当日の調子を判断するためには80%はパドック、残り20%が本馬場入場と返し馬のチェックが必要とされます。
パドック80% + 返し馬20%
馬の調子を見る上でパドックだけで十分という意見も多くありますが、返し馬で一変する馬がいることも覚えておきたい。また、返し馬を行わない馬もいるため、そのような馬は、何かしら調子に問題があると見てよいでしょう。
以上のことから、パドックでの見極めは80%まで。パドックで見極めた調子・気合が持続されているのかどうか、残り20%は返し馬で判断する。基本的には、パドックでの判断に念を押すという形になりますが、返し馬をみることで予想の精度を高めることができます。
本馬場入場・返し馬の走り方
ダク
ダクとは、速歩(トロット)のこと。脚を高く上げながら、右前脚と左後脚、左前脚と右後脚の組み合わせで2拍子のテンポを軽快に繰り返す、弾むような歩様。体調が良くコズミ(筋肉痛)のない馬は、高く脚を挙げて軽快にダクを踏みます。パドックではコズミがあった馬も、周回中に筋肉がほぐれることでコズミが解消されて従来のダクを踏めるようになることもあります。
キャンター
キャンターとは、駈足(かけあし)の一種で、ゆるやかな駈足のこと。左後⇒右後・左前⇒右前の順に脚を使いながら走りますが、右後脚と左前脚が同時に地面に着くため、足音はパカラッ・パカラッと3拍子に聞こえる。
ギャロップ
ギャロップとは速い駈足(かけあし)のことで襲歩(しゅうほ)とも言います。レースにおける走り方のため、スピードに乗った状態。スピード順では、襲歩(ギャロップ) >駈足(キャンター)>速歩(トロット)>常歩(ウォーク)の順になります。
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本馬場入場の見方
パドック周回後、場内アナウンスとともに本馬場入場が始まる。ほとんどの馬がダクからすぐにキャンターの返し馬へと移るため、全馬の詳細を確認することは難しい。そのため、パドックで気になった馬を中心に、ダクの踏み方や気配の変化などチェックする馬を数頭に絞って確認しましょう。
本馬場入場で補うべき情報とは
ダクの踏み方をチェック
◎高評価は、ダクを前に踏みながら首を前に伸ばしている馬
首を前へ前へと低く伸ばして、コースを舐めるように歩く姿が見られます。この状態は騎手との折り合いも良く、しっかりと指示に従い、ダクを踏んでいる馬が気持ち良く走ろうとしている証拠です。
△まずまずの評価なのが、ダクの出が悪い馬
ダクを踏むときに前脚をスムーズに運べていない状態。考えられる原因としてコズミ(筋肉痛)がありますが返し馬で筋肉がほぐれて元の調子を取り戻すこともあります。
×注意したいのは、柵に沿って横歩きしている馬
本馬場に入って厩務員の引き綱が外された際に、柵に沿って横歩きをする馬については、そのままスムーズに返し馬に移れる馬は、特に問題ありませんが、いつまでも走りださない馬に関しては、何かしらの問題を抱えていることが考えられますので注意です。
パドックとの変化に要注意
パドックでは落ち着いていた馬が興奮している場合
パドックでの様子と一変して首を激しく振ったり、ギラギラとした目つきで前の馬を追い抜くように入場してくる馬は、強くレースを意識してすぐに走れる状態と取れます。パドックで騎手が乗った時点、本馬場へ脚を踏み入れた時点でスイッチが入ることが多いとされます。
パドック同様に落ち着いた状態を保っている
多くの馬は、本馬場に入るとレースを意識して興奮状態になりますが、中にはパドックの状態から変化を見せない馬もいます。好状態なのは、目に光があり悠然と静かに闘志を秘めている場合。しかし、レース直前になってもスイッチが入らない状態であれば評価は下げたいため、返し馬を観察して判断したい。
パドックで見られてコズミが解消されている場合
パドック周回では、ぎこちない歩様を見せていた馬が、一変して高々と前脚を上げてダクが踏めている時は、筋肉がほぐれてコズミが解消されたと判断することができます。これはパドックでのウォーミングアップがうまくいった証拠。
パドックでイレ込んだ馬が落ち着いている
パドックでのイレ込みにより、馬が疲れて消耗してしまった状態。ほとんどの馬は騎手が騎乗すると気合が入るもので、特にイレ込みやすい馬はその傾向です。そんな馬が本馬場入場で、かえって落ち着いているのは良い状態ではありません。そういった場合は、返し馬を行わずに、ダクのまま待機所へ向かうこともあります。
返し馬の見方
返し馬において注目すべき点は、ダクからキャンターへスムーズに移ることができるか。馬券発売締切も目前のため、時間はかなり限られ、馬券の取捨選択をする最後の機会になりますので、騎手との折り合いやパドックで気になった馬に的を絞って観察しましょう。
馬の調子の最終確認は「返し馬」
スムーズにキャンターに移れた
軽くダクを踏んだ後にスムーズにキャンターを移れるかは重要なポイントです。滑らかに走り出すことができれば好調の証拠です。また、ダクからキャンターに移ることを「キャンターにおろす」とも言います。
向正面ですんなり止まる
返し馬ではキャンターに移る時だけでなく、ピタッとスムーズに止まることができるかも重要とされます。折り合いがついている馬は、騎手が軽く手綱を引くだけで適当なところでスムーズに止まって、待機所へゆっくりと入っていきます。一方で問題があるのは、止まる時に騎手が立ち上がるのは折り合いが悪い可能性が高いので注意が必要です。
厩務員がしばらくついていく
馬が走りたがっていても厩務員が引き綱を放さずにコーナー方向へ歩いていく時は、ほとんどの場合はイレ込みがひどく、暴走の恐れがあるため。マイナス要因ですが、その後に問題なく返し馬に移って輪乗りに加われていれば大きな問題ではありません。
以下の5つのパターンは要注意!
スムーズにキャンターに移れない
ダクを踏むのがぎこちなく、なかなかキャンターに移れない場合は、コズミがひどくて前脚を出すと肩が痛い状態です。前走や調教の疲労が残っていると考えられ、キャンターに移ってもスピードに乗らないこが多くマイナス評価です。
返し馬を行わない
ダクのままキャンターに移らず、そのまま待機所へ入ってくのは返し馬を行っていないこと。イレ込みによる消耗や馬体重の大幅減でレースに臨んでいるため、返し馬ができない状態だと考られます。レース前に少しでも体力の消耗を避けて返し馬を省いたとみることができます。
首を上げて左右に振っている
キャンターに入っても馬の姿勢が定まらずに首を振って騎手が手こずっている時は、明らかに折り合いがついていない状態。返し馬でこのような状態が見られるときはレース本番でも折り合いを欠く可能性が高いと言えます。
騎手が手綱をしごいたりムチを入れる
通常、返し馬は走りたがる馬を抑えながら走ります。馬の行く気に任せる時は、騎手は動かず走り過ぎたと思えば手綱を引きます。手綱をしごいたりムチを入れるのは馬を走らせようとする動作であるため、返し馬でこのような行動が見られる場合は、気合不足やコズミ、太め残りなどがマイナス材料として考えられます。
放馬してしまった
馬が騎手を振り落として空馬の状態で走ってしまうことを放馬と言います。落馬の原因は、イレ込みによって歩様が乱れ馬がつまづいたり、スタンドの歓声に驚いた馬が立ち上がってしまった場合が考えられます。すんなりと捕まえることができれば問題ありませんが、長い距離を走ってしまことで体力を激しく消耗し、精神的ダメージを受けてしまいます。馬体検査に異常がなければ出走可能ですが、疲労が顕著な場合は競走除外となることもあります。
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